2025年相場で資産を守りつつ増やす「防御的攻め」戦略
2025年の株式市場は、好材料と不安材料が入り混じる難しい局面が予想されています。米国FRBの利下げ観測やインフレ鈍化といったプラス要因はある一方で、地政学リスクや景気後退懸念というマイナス要因も残っているのが現実です。こうした環境下では、「攻め」だけでは資産を大きく減らすリスクが高まり、「守り」だけでは成長機会を逃してしまいます。そこで注目したいのが、守りと攻めをバランス良く組み合わせた防御的攻め戦略です。
防御的攻めとは何か?
防御的攻め戦略とは、資産を減らさないための安全策を取りつつ、市場の好機にはしっかり利益を狙う運用方法です。具体的には、景気後退局面でも安定した収益を上げられるディフェンシブ銘柄をポートフォリオの中心に据え、景気拡大局面では成長株を活用してリターンを伸ばします。
ディフェンシブ銘柄の役割と選び方
ディフェンシブ銘柄は、電力・通信・医薬品など景気変動の影響を受けにくい業種が中心です。2025年の注目株としては、配当利回りの高さと業績安定性で評価されるNTT(9432)、安定した収益基盤を持つ中部電力(9502)、そして医薬品大手の武田薬品工業(4502)が挙げられます。これらは長期保有での資産安定化に有効です。
成長株をどう組み込むか
全体の20〜30%を成長株に振り分けることで、市場上昇時のパフォーマンス向上が期待できます。AI分野ではNVIDIA(NVDA)、半導体製造装置では東京エレクトロン(8035)、再生可能エネルギー分野ではオリックス(8591)やイーレックス(9517)などが有力候補です。成長株はボラティリティが高いため、投資額や損切りルールを明確に設定することが必須です。
資産配分の例
- ディフェンシブ株:50%
- 成長株:25%
- 債券・REIT:15%
- 現金ポジション:10%
このバランスなら、下落局面ではディフェンシブ株と債券が損失を抑え、上昇局面では成長株が利益を押し上げます。現金ポジションは急な下落時の押し目買いに活用可能です。
マクロ視点の重要性
2025年は米国大統領選、中国経済、原油価格の動向など、相場に影響を与える要因が多く存在します。経済ニュースや指標のチェックを習慣化し、予期せぬリスクにも柔軟に対応できる準備を整えておきましょう。
まとめ
中級〜上級投資家にとって、2025年は「勝つ」よりも「負けない」ことが資産拡大のカギです。防御的攻め戦略を軸に、守りと攻めのバランスを取りながら市場の波に乗る体制を構築しましょう。
次回予告
次回は、防御的攻め戦略をさらに強化するための「逆張りと順張りの使い分け」について詳しく解説します。
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