年収400万円の人が知るべき iDeCo(イデコ)の現実的な使い方
年収400万は「節税効果が実感できる」「生活防衛が必要な現実ライン」。iDeCoをどう使い、家計に負担をかけずに老後資金を作るかを実務的に整理しました。
要点
結論:まず生活防衛資金を確保してから、無理のない範囲(月1〜2万円目安)でiDeCoを始めるのが現実的。低コストの分散インデックスで淡々と積み、受取(出口)設計を忘れずに。
なぜ年収400万でiDeCoが効くのか
年収400万円は税負担が「ほどよく」存在する層です。iDeCoは掛金が全額所得控除となるため、掛金の一部が即時的に手元に残る感覚になります。節税効果と積立余力のバランスが取りやすく、長期的な資産形成に向いています。
メリットとデメリット(実務目線)
- メリット:掛金が所得控除→所得税・住民税の軽減。運用益が非課税。老後資金を半強制的に作れる。
- デメリット:原則60歳まで引き出せない(流動性が低い)。受取時の税処理(年金or一時金)を考える必要がある。
- 実務注意:教育費や住宅費など近い将来に使うお金までiDeCoに突っ込むと資金繰りが苦しくなる。
優先順位(まずこれを守る)
- 生活防衛資金:生活費3〜6か月分(家庭状況によって6〜12か月が望ましい)を確保。
- 短〜中期の目標資金:つみたてNISAや普通預金で教育費・車・引越し費用などを準備。
- iDeCo(老後資金):上の2つを確保したうえで無理のない掛金を設定。
掛金の現実目安(年収400万のケース)
※下は目安。家族構成や生活費によって調整してください。
| 月の掛金 | 現実度 | コメント(概算) |
|---|---|---|
| 月0〜5,000円 | 超安全 | 節税効果は小さいが無理なく始められる |
| 月1万円 | 現実的推奨 | 年間12万円。節税効果が実感しやすく継続しやすい |
| 月2万円 | やや積極的 | 年間24万円。節税効果が大きく貯蓄効率も高いが生活防衛資金は要確保 |
| 月3万円以上 | 要注意 | 余裕がある場合は有効だが、生活圧迫のリスクあり |
税メリットの簡単計算イメージ
例:月2万円(年間24万円)を拠出、仮の実効税率20%の場合(概算)
年間拠出 = 240,000円
概算の年間節税効果 ≒ 240,000 × 0.20 = 約48,000円(概算)
概算の年間節税効果 ≒ 240,000 × 0.20 = 約48,000円(概算)
実際の節税額は個人の所得税率・住民税率・扶養構成で変わります。正式な計算は源泉徴収票等で試算してください。
運用商品・ポートフォリオの実務案
年収400万で無理せず継続するなら、低コストで分散されたインデックス中心が王道です。
- コア:全世界株式インデックスまたは米国株(S&P500)インデックス(60〜80%)
- 安定枠:債券インデックスまたはバランス型(20〜40%)
- 避ける:高コストアクティブファンドや短期ギャンブル的な個別株への集中投資
iDeCoは商品入替や手数料(運用管理費)も金融機関で差が出るので、選ぶ際は手数料表を必ず確認してください。
失敗しないためのルール(実務チェック)
- まず生活防衛資金(3〜6か月)を用意してからiDeCoを増やす。
- 教育費・住宅資金など近い目標はiDeCo外で準備する。
- 掛金は「まず少額で始める」→家計に余裕ができたら増額する方式が安全。
- 年1回は運用配分と掛金の見直し日を設定する。
- 受取(出口)は将来の退職金や他の受取と合わせてシミュレーションする。
7日でできる実務アクションプラン
- Day1:家計(手取り・家賃・固定費・変動費)を書き出す。
- Day2:生活防衛資金の目標額を決め、別口座を作る。
- Day3:つみたてNISA / 普通貯金で短中期資金の計画を立てる。
- Day4:iDeCoの金融機関を2社比較(手数料・商品ラインナップ)。
- Day5:掛金案(例:月1万円)で手取りに与える影響を試算する。
- Day6:iDeCo口座開設手続きの情報を揃える(書類・勤務先情報など)。
- Day7:年1回の見直し日(家族カレンダー)を設定する。
よくあるQ&A(簡潔)
- Q:月1万円でも意味ある?
- A:十分意味があります。長期で継続すれば複利効果で資産は成長します。
- Q:iDeCoで預けるのは不安です。
- A:流動性の制約がある点は事実。だから生活防衛資金を必ず先に確保するルールが重要です。
- Q:つみたてNISAとどちらが先?
- A:流動性確保を優先したいならつみたてNISA、節税効果を重視するならiDeCo。両方少額ずつ使うのも現実的。

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